yurufuworks

夫婦でニュージーランドに語学留学中 留学やワーホリ、海外生活についてをゆるふわに書いていく所存

ニュージーランドの火災報知器について

火災報知器

今回は、どの家の天井にもあるコレにまつわるお話です

ニュージーランドで料理をするときに、一番気をつけないといけないことはなんでしょうか。

塩分量?健康には気を使いたいですね。
スーパーのラム肉はしっかり火を通すこと?大事ですね。
卵を生では食べないこと?これはマジで注意。

でももっと大事なことがあります。

それは「換気をしっかりすること」です!!

ニュージーランドの火災報知器

ニュージーランドの火災報知器は、とにかく誤報が多いです。

どのくらい多いかというと、消防救急局のホームページに「どうすれば火災報知器の誤報を減らせるか」というページがあるくらいです。www.fireandemergency.nz

このページによると、毎年20,000件の誤報に対応しており、特定の場所では2回に1回の割合で誤報のために出動しているということです。

火災報知器の設置が義務付けられているのにも関わらず、理由は分かりませんが、肝心の精度がポンコツすぎるようです。

その上、火災報知器が作動すると、消防救急局に自動で通知がいく仕組みになっています。

一度ぼくらの通う英語学校のビルで火災報知器が授業中に作動したときは、ビルの人たちがのそのそと外に出て、一体何があったんだろうねえと立ち話をする頃には、消防車のサイレンが近づいてくるのが聞こえていました。

この驚くべき早さで駆けつけてくれる素晴らしく優秀で勤勉な消防と、熱湯の湯気や夏の暑さを火事と勘違いするくらい敏感な火災報知器が、日夜ニュージーランドを火の手から守ってくれているというわけです。

火災報知器を鳴らさないためには

換気はとにかく大事です。

料理に限らず、シャワーなどのお湯を使う場面でも、もし換気不十分で湯気が廊下や近くの部屋に漏れていった際には、裸で火災報知器の対応をする羽目になる可能性すらあります。

日本では換気扇を回し忘れても部屋が少し油臭くなるくらいで、火災報知器が鳴ることはまずありませんが、ニュージーランドでは10回換気扇を回し忘れたら10回火災報知器が鳴るものと思いましょう。

……でも、実は換気扇を回すだけでは不十分な場合があります。

なぜでしょうか。ではここで、ぼくが住むフラットの換気扇をお見せしましょう。

換気扇(?)
換気扇(?)
おわかりいただけただろうか。

換気扇なら当然あるはずのものがありませんね。

そう、室外への排気ダクトが無いのです。

じゃあこれは何!?という感じなのですが、何なのでしょう。ぼくも分かりません。

サッパリ意味が分からず、ネットを調べてみたところ、どうやら海外では頻繁に料理をする習慣がないので、台所の換気に気を遣っておらず、それ故に換気扇が必ずしも「空気を外に換気するもの」だとは限らないようです。えぇ……??

活性炭入りのフィルターが入っていて、臭いを吸収してくれている、という説もあるので、うちもそうなのかもしれませんが、いやいや、違う、そうじゃない。

なので、初めて料理をする台所では、まずは換気扇をよく確認してください。
換気扇が外に通じているのかよく分からない、またはただの「空気かき混ぜ器」だと気がついたなら、台所に一番近い窓を全開にしましょう。

結局のところ、この方法に勝る誤報対策はありません。

そして、お湯を沸かす料理のとき、とくにパスタをザルにあけて茹で汁を流すときなどは、湯気が立ち込めて天井を覆ってしまわないよう、細心の注意をはらいましょう。

それでも火災報知器が鳴ってしまったら

それが明らかな誤報であると分かる場合は、まずは2,3分待ってみてください。

本当に火事で鳴っているわけではないのならば、おそらく少し待つうちに鳴り止むはずです。

短時間の警報であれば消防車が来ない可能性は高いようですが、もし来てしまった場合は、事情を説明して、軽く家の中を見せて帰っていただくことになるでしょう。
英語が流暢な方なら、通常の問い合わせ電話番号から消防救急局へ連絡して、誤報が起こった旨と、消防車が出動していないかを確認するといいでしょう。

以前は、消防車を出動させてしまった場合は数百NZD単位での請求が発生していたそうですが、数年前に消防局の組織再編と制度変更があり、2023年現在では、個人宅の誤報で出動費を請求されることはまずないようです。
これは長くニュージーランドに在住している語学学校の先生にも確認した情報なのでほぼ間違いはないと思いますが、どうしても心配な場合は消防局に連絡して、消防車の出動が不要な旨を伝えるのが最も確実でしょう。

ただし、例えばあなたがビルにいたり、またはマンションやアパート全体の火災報知器が鳴っているのであれば、様子を見ていてはいけません。直ちに建物の外へ避難しましょう。

ぼくらが火災報知器を鳴らしてしまったときの体験談

実は、ぼくらもニュージーランドに来て2ヶ月目に、火災報知器を鳴らしてしまうという経験をしています。

原因はパスタの茹で汁を勢いよく流しに捨てたことで発生した大量の湯気です。
もちろんコンロ上部の換気扇(後に空気かき混ぜきであることが判明する)と、すぐそばの小さな直径20cmほどの小さな換気扇(これは外に通じている)は回していたし、台所横の窓も開けた状態でしたが、流しから立ち上る大量の湯気には、何の意味もありませんでした。これが1つ目のミスです。

そのときは、同居人に「火災報知器を鳴らすと500NZDの請求が発生するが、電話をして誤報だと伝えて、請求がないことを確認すれば大丈夫」と教えられていたので、慌てて消防局に電話をしました。

2つ目のミスは、ここで「111」のエマージェンシーコールに電話をしてしまったことです。
今考えれば、緊急電話を使うなんて愚かにも程があるだろうと思うのですが、そのときは「なるべく早く伝えたほうが良いだろう」という思いで、緊急の番号に電話をかけてしまいました。

結局この後、消防車が来ることになるのですが、到着した消防隊員には「111に電話をするとすぐに消防車が出動してしまうから、次からは通常の問い合わせ番号に電話をするといいよ」と教えてもらいました。

3つ目のミスは、ぼくの英語力があまりにも無く、正しく情報を伝えられなかったことです……。

本当に情けないのですが、テンパったぼくは「Fire alarm in my flat was ringing, but I made a mistake!!」しか言えず、しかも電話口の音質はありえないほどに悪くて、相手が何を言っているのかは一言も聞き取れませんでした。

電話の向こうで、オペレーターが困り果てた様子がよく分かりました。なにせ、質問しても答えは的を得ず、何がミステイクなのかも分からないのですから。

結局「住所を教えて、とりあえず隊員に向かわせるわ」と言われ(これはなんとか聞き取れた)、住所を伝えて「No charge?」「Yes」だけはなんとか確認をして電話が終わる頃には、サイレンの音が近づいてきたのでした。

消防隊員をマンションの前で迎えると、対面であればなんとかコミュニケーションも取れました。

隊員「通報したのは君かい?」
ぼく「はい、すみません。料理をしていたら火災報知器が鳴ってしまって」
隊員「何を料理していたの?」
ぼく「パスタです、熱湯を流しにすてたら湯気がのぼって……」
隊員「パスタ!良いね!部屋を確認させてくれる?」

ということで隊員の1人に部屋を確認してもらって、そのときに、「何も操作せずに火災報知器が止まったなら、消防車はだいたい来ない」ことと、前述の電話先の件を教えてもらいました。

数分で確認も済み、隊員たちを外まで見送ると、「Have a nice dinner!」と言い残し、颯爽と隊員たちは去っていきました。

隊員たちは皆、嫌な顔ひとつせず、とても親切に対応してくれて、本当に頭が上がりませんでした。

それから、1ヶ月近く経ちましたが、出動に関する請求は届いていません。

ニュージーランドの火災報知器についてのまとめ

ぼくらの経験以外にも、多くの人が誤報を経験していますし、僕の身の回りでも換気扇を回し忘れて消防車を呼んでしまった話は聞きます。

ニュージーランドの火災報知器はとにかく繊細で、そして諸外国ではすべての台所が日本と同様の換気システムを持っていて当然と思ってはいけません。

最後に改めて、ニュージーランドで生活する際には、以下の点にくれぐれもご注意ください。

  • 料理やシャワーで湯気が出るときは換気状況に注意
  • コンロ上の換気扇を信用しすぎるな
  • 明らかな誤報で火災報知器が鳴ったらまずは様子見
  • 消防車の出動状況確認に「111」は使わない

最後に、本当にいちばん大事なこと

本当にいちばん大事なことは、誤報が多いからと言って火災報知器を無視してはいけません。

消防救急局のページにもある通り、多すぎる誤報は「オオカミ少年」の状態を引き起こし、本当の警報時に判断が遅れる可能性に繋がります。

少しでも警報の原因に不明な点があれば、警報元の確認よりもまず自分の命を第一に行動しましょう。

ニュージーランドのはしご車

ニュージーランドの消防車で一番格好いいのは、後ろが三連タイヤになったこのタイプのはしご車だと思います。