yurufuworks

夫婦でニュージーランドに語学留学中 留学やワーホリ、海外生活についてをゆるふわに書いていく所存

ランギトト島はオークランドに一番近い最高のトレッキングスポット!

Rangitoto island

Mt.Victoriaから望むRangitoto Island(2023-09-01)

ランギトト島は、標高わずか260mの低山ながらも、非常にユニークで、面白い登山体験ができる場所でした。

何より、日本人にとっては富士山を想起させる、美しい対照的なかたちは、多くの人を魅了しています。

今回は、オークランドからたったの30分でたどり着ける、この美しい無人島の紹介です。

ランギトト島とは

オークランドダウンタウンからフェリーで30分、ランギトト島は、わずか600年前の海底噴火で誕生した、ニュージーランドで最も若い山です。

直径約5.5kmの島のほとんどは、とてもきれいな円錐形の楯状火山になっていて、フェリーターミナルから標高260mの山頂まではもちろん、島の様々な場所へアクセスできるいくつかのトレッキングロードが整備されています。とはいえサンダルで行けるほどには舗装されていないので、最低限の歩きやすい靴で行くようにしましょう。

1900年ごろに、ヨーロッパの植民地として、玄武岩の採集が行われていたり、別荘地として人が住んでいた時代もあったそうですが、現在は自然保護のために完全な無人島となっています。
簡易トイレはありますが、売店は無いので、食料・飲料は必ず持っていくようにしましょう。

ランギトト島への主な交通手段はフェリーです。
ダウンタウンからデボンポートを経由する便が出ていますが、2023年10月現在では、行きの便は朝に1本、帰りの便は昼から夕方にかけて3本しかありません。
また、ついこの前までは金土日しか便がありませんでしたが、春になった今は平日にも便があるので、観光のハイシーズンにかけて便数は増えていくのかもしれません。
いずれにしても、帰りのフェリーを逃さないように気をつけましょう。

時刻表の確認とチケットの予約は、Fullers360のサイトから行なえますので、逐次チェックしましょう。天気予報が良いと前日には行きの船のチケットが売り切れていたりもするので、余裕を持って確認してください。

大人の往復チケットは窓口で買うと$57ですが、ネットからの予約なら$53と少しお得になります(※2023年10月時点)

www.fullers.co.nz

なお、お隣にはモトゥタプ島という有人島(といっても数名程度らしい)がありますが、宿泊手段は基本的にキャンプのみです。
ランギトト島から繋がる橋を渡って徒歩で行く以外に手段はなく、日帰りで行くのは難しいと思いますので、行くのであればしっかり準備をして行くようにしましょう。

ぼくらの歩いたトレッキングルート

フェリー乗り場から、海岸線沿いにマッケンジーベイビーチへ、そこから頂上に向かって山を登り、下山はまっすぐ降りていくルートです。

  • 10:00 フェリー乗り場
  • 11:30 マッケンジーベイビーチ
  • 13:00~13:30 山頂(30分休憩)
  • 14:30 フェリー乗り場

おおよそコースタイム通りでした。

帰りのフェリーは16:00だったので、下山後はフェリー乗り場付近でかなり暇を持て余しました。
とはいえ14:20の便ではあまりにもギリギリすぎて不安なので、仕方がなかったかなと思っています。

最短ルート(サミットトラック)でただ登って降りるだけなら2時間で戻ってこられるでしょう。

トレッキングの様子

ランギトト島のフェリー乗り場

これは帰りのフェリーですが、行きはもっと大きなフェリーに乗ります。

フェリーの中にも売店はあり、コーヒーや水は買えます。食べ物はちょっと覚えていないですが、軽食程度だったと思います。

また、行きのフェリーは乗る前に靴を洗うよう指示されます(島外から土や草木を持ち込まないようにするため)。洗い場は若干並びましたので、余裕を持ってターミナルへ行くようにしましょう。

 

マッケンジーベイロード

マッケンジーベイロード

マッケンジーベイロードから望む海

マッケンジーベイロードは基本的にずっと平坦な道で、だいたいは海岸線沿いを歩くので、見晴らしが良く、気持ちがいいです。

木々の中を通ることもたまにありますが、整備された道の周りは黒い火山岩に覆われていて開けています。
この土地がまだ若く、木々が生い茂る前の火山の麓であるんだろうということを感じられます。

つい600年前までは今歩いている地面は海中にあったんだと思うと、なんだかすごく不思議な気持ちになりました。

開けているということは日差しも直接受けるということですので、日焼け対策(日焼け止め、長袖シャツ、サングラス)はお忘れなく。

 

島に残るバッチェ

また、歩きはじめてすぐのうちは、いくつかの廃屋を見かけるでしょう。

これらは「バッチェ」といって、1920~30年代にかけて、半ば違法で建てられた別荘だそうです。

島の環境保護と景観のために多くは撤去されましたが、文化的な資料として、未だにいくつかの建物は当時の様子を残して保存されています。

 

マッケンジーベイへ続く道と山へ続く道の分岐点

1時間半ほど歩くと大きな三叉路にたどり着きます。道は一本道なので迷うことはないでしょう。

左に行くとトイレとマッケンジーベイビーチ、右に行くと山頂です。

このルートを通る際、トイレはここと、サミットロードから頂上に向かう登り階段に分岐する場所にしかないので、ぼくらはここでトイレに行くために一度左へ立ち寄りました。

 

マッケンジーベイビーチ近くの簡易トイレ

トイレは、残念ながら「趣の塊」です。
当然水栓なわけもなく、地面に掘られた縦穴に便座がついているくらいのもので、かつ中は羽虫がわんさか飛んでいます。

耐性のない人には少しキツいと思いますので、どうしても無理そうなら、行き帰りのフェリーで用を足すのが良いかもしれませんね。

手洗いの水場もありませんので、ウェットティッシュやアルコールジェルなどを持っていくといいでしょう。

 

マッケンジーベイビーチ

マッケンジーベイビーチは、別になんてことはない、ただの小さな砂浜です。

夏になったら泳いでいる人もいるのでしょうか?

10秒で回れ右して、山頂を目指します。

 

サミットトラック

おやつ

ここからは島の内側に向かって、山を目指して歩きます。まだ比較的平坦ですが、少しずつ勾配がついていきます。

ぼくらはこのへんで歩きながらおやつを食べました。Countdownで買ったマーマレードジャムのデニッシュ。2個入で$7程度だったかな……?うまい!オススメです。

 

山頂までの階段

サミットロードをしばらく行くと、頂上に向かって続く木の階段が現れます。同時に、マッケンジーベイビーチ近くのものと同じ簡易トイレもあります。

ここを登っていくと頂上にたどり着きます。
階段ではなく、斜面を登っていく(より登山らしい)道もあるようですが、そのときはそれが頂上に続く道だとは分かっていなかったので、普通に階段を選んで登りました。

階段の途中にはいくつか木のベンチがあり一息つけます。
逆に、ここに来るまでの道のりには、ベンチはひとつもありませんでした。

 

クレータービュー

階段を登りきったところには、火口のクレーターを一望できるビューポイントがあります。

ランギトトはすでに活動を止めていて、クレーターには木々が生い茂っています。
派手さはありませんが、こうした木々に飲み込まれた火口を見る機会はほとんど無かったので、興味深かったです。
写真ではいまいち魅力的に写すことはできなかったので、ぜひ実際に自分の目で確かめてみてください。

 

山頂から望むビクトリア山とオークランドシティ

おひるごはん

山頂は、先程のクレータービューポイントから5分ほど歩いた場所にあります。展望台が整備されていて、オークランドを一望できます。

結局どこに行ってもスカイツリー(CBDエリア)を探している自分に気が付きます。なんとなく、自分の中でそこが起点になっているんでしょうね。

お昼ごはんは、醤油につけた海苔の上に、スモークの焼き鮭をほぐして載せたのり弁当でした。鮭は高いので普段は買わないのですが、日本にいるときから登山には鮭のおにぎりを持っていくことが多かったので、今回は贅沢をしました。

なぜかスーパーの調理済み鮭はスモークしかありません。本当はただの塩焼き鮭が良かったのですが……。

 

下山の分岐

サミットトラック

サミットトラックの砂利道

山頂のクレーターの周りを取り囲むように道があり、20分ほどで1周出来ます。

その途中に、フェリー乗り場に続く「サミットトラック」の分岐がありますので、「Rangitoto Wharf」の案内を頼りに下山します。

はじめのほうに「歩きやすい靴で」と書きましたが、その理由がこのサミットトラックの状態にあります。

道幅が狭く、木の根っこが大きな段差を作っていたり、砂利道に大きめの石が転がっていたりして、マッケンジーベイロードから続く道に比べるとかなり歩きづらく感じました。

ガチガチの装備で臨むほどではありませんが、靴は選びましょう。

 

ランギトト山

海岸

ということで山頂から1時間ほどで下山。お疲れさまでした。

フェリー乗り場の近くには、屋根の付いたベンチスペースがいくつかあるので、そこでフェリーが来るまでの時間をのんびり過ごす人が多いです。

ランギトト島のトレッキングまとめ

ランギトト島は、海に山がそのまま浮かんでいるような場所なので、海を見つつ山を楽しめるのが非常にユニークでした。

また、誕生から600年というのも山としては非常に若く、それ故にまだ自然が成熟しきっていないような、まだこの先も形を変えていくように思える、そんな不思議な雰囲気を感じました。

標高差はあまりなく、登山として登りごたえがあるか、面白いかと言われれば微妙ですが、この場所でしか見られない風景がある、そんな魅力ある山だと思います。

また個人的に、登山は下山中のほうが視界に入る景色が開けていて開放感があるので、行きは海岸線沿いの開けた道、帰りはまっすぐ下山する道というルートチョイスも非常に良かったと思っています。

麓にも頂上にも売店などはないので、さすがに例えば高尾山のように手ぶらで登れるほどの手軽さはなく、それなりに計画と準備は必要な山ですが、もしオークランドに来るのであれば、ぜひ訪れてみてください。

この山でしか感じられない空気、見られない景色を、きっと楽しめると思います。