yurufuworks

夫婦でニュージーランドに語学留学中 留学やワーホリ、海外生活についてをゆるふわに書いていく所存

ニュージーランドで留学夫婦が仕事を見つけるまでの流れ

ニュージーランドのバイトの華形といえばバリスタ!(The Hangar - Wellington)

前回、仕事探し中に詐欺にあいかけた話を書きましたが、その後、無事にパートタイムの仕事が見つかりました。

また、ぼくより一足先に嫁ちゃんも仕事を見つけているので、今回は「非ネイティブとの日常会話がギリ、ネイティブの英語はほとんど聞き取れない」という初中級レベルのぼくら夫婦が仕事を見つけるまでの軌跡を書き残しておこうと思います。

ワーキングホリデー体験談においてはもはやヨレヨレのクタクタになるまで擦り倒されている「仕事の探し方」という記事ですが、まぁ先人のサンプルは多いほうがきっとこの先役に立つでしょう。

あっと驚く小ネタも、常人には真似できない裏道もありません。地味な記事ですが、地味にワーホリ・長期留学をするみなさまの参考になればと思います。

就いた職種

まずはぼくらが就いた仕事について書いておきます。

ぼくはローカルなバーのキッチンハンド(皿洗いと簡単な食事の用意)、嫁ちゃんは日本食レストランのウェイトレスです。

誰でもできる、とまでは言いませんが、海外で就くパートタイムの仕事としては比較的難易度の低い仕事であることは認識しています。

なので、もっと専門性の高い仕事やオフィスワーク、正規雇用の仕事の探し方を調べている方は、以降はあまり参考にならないかもしれません。あしからず。

ただし、どちらもあまり英語を使わないのでは?と思われがちな(思っていた)仕事ですが、ぼくは現地のネイティブやそんな彼らと遜色なく会話できるワーホリ外国人だけが同僚の環境で業務連絡や雑談をしますし、嫁ちゃんのお店は少し観光地から離れた場所でローカルなお客からの注文を受けます。

海外で接客をしたり、チームで働いたりする以上は、学校で聞くよりも数段遠慮のない、いわゆる「活きた英語」を聞く環境に身を置けると思います。

仕事探しに必要なもの

英文履歴書(CV・Resume)

英語のCV(履歴書)を書きましょう。これが無ければ何も始まりません。

手書きは絶対にダメです。日本のように「手書きは思いが伝わる」なんて受け取ってくれる外国人はいません。

アメリ英語圏の履歴書は「Resume」と呼ばれていて、CVとResumeには違いがある、なんて情報もネットにはありますが、正直国ごとにお作法が違うというのがぼくが調べて思ったことなので、滞在先の情報や経験談を集めるのが最も確実です。

例えば、ニュージーランドでは、政府のインターネットサイトにCVや後述するカバーレターのサンプルが掲載されています。

ぼくは、学校で教えてもらった内容と、上記のサイト含むいろいろな情報をもとにして、最終的に以下のような情報をA4用紙1枚にまとめました。

  • 個人情報:名前・住所・現地の電話番号・実名に基づいたメールアドレス・ビザ種類と期限
  • OBJECTIVE:探している職種と理由、2,3行程度
  • SKILLS:パーソナルスキルとテクニカルスキルを混ぜて箇条書き、6個くらい
  • EXPERIENCE:新しい順に過去の職歴を3つ、それぞれに実績を2,3個箇条書き(可能な限り数字ベースで)
  • EDUCATION:語学学校と最終学歴

現地の電話番号は仕事を探すなら必須だと思ってください。メールアドレスに関しても、好きなバンド名とか、†blackstar†とか、ふざけた字面のものは間違っても使わないようにしましょうね。

加えて、個人的にはビザの種類はマストだと思っています。就労制限にも関係するので、雇用主に事前に伝えておく必要があります。

上記以外にも、例えば資格や受賞歴や参考人や、書いた方がいい!とされている情報はいっぱいありますが、パートタイム程度であれば、応募する職種で活かせそうな内容をスキルと経験の項目に書けていれば問題ないでしょう。もちろん学歴が活かせそうなものであればそちらに比重を寄せてもいいでしょう。

大事なのは「こいつ役に立ちそう」と思わせることです。
それ以外の情報は相手の読む気を削ぐだけなので、あれこれ書くよりも、A4で1枚に見やすく収めるほうが大事だと思っています。

カバーレター

カバーレターとは「自分の過去の経験と得たスキルが、貴社でどれだけ活かせるか」を書き綴ったラブレターです。

ラブレターなので当然1つの応募先につき1つ書きます。とはいえ、実際は似たような職種に応募することが多いと思うので、1枚書けばあとは宛先だけ変えて使い回せます。

直接お店にCVを配り歩くときは、カバーレターなしで突撃しても大丈夫ですが、ネットで応募したりする際には、基本的にCVとあわせて添付すべきでしょう。

CVにも言えますが、スペルミスや文法ミスはみっともないので、学校の先生に見てもらったり、ChatGPTに突っ込んで校正させたりしましょう。

日本語履歴書

一部の日本食レストランや日系企業では、日本の形式の履歴書を求めるところもあります。

が、英文CV・日本語履歴書どちらでもOK、とするところがほとんどなので、必要になったら用意するくらいでいいでしょう。

近い業種の経験

これが一番大事かもしれません。

悲しいことを言いますが、仮に英語が流暢だったとしても、バリスタ経験も飲食業経験もゼロの人間を雇うカフェはほぼありません。いくら人手が不足している、と言われている国でも、経験がなければ面接にも呼んでもらえないことがほとんどです。

海外は、実力主義の社会です。そして「英語が流暢」なだけの人なんて、いくらでもいます。逆に実務経験さえあれば、多少のコミュニケーション能力の不足には目をつぶってもらえます。

もしあなたがまったくの未経験で飛び込みたい業界があるのなら、日本にいるうちに学んでおいたり、少しでも経験を積むのが得策です。そんな時間や余裕が無く、それでも諦められないなら、主要都市のCBDエリアから少し離れたあたりで探すと、未経験でも試用してくれる場所があるかもしれません。可能性はまったくのゼロではないです。幸運を祈っています。

仕事を探し始めた時期・見つかるまでにかかった期間

嫁ちゃんは、仮宿のホステルを飛び出してフラットに引っ越したあたりのタイミング、渡航から3週間後くらいから探し始めています。仕事が決まるまでに要した期間は1ヶ月半ほど。渡航後2ヶ月半弱で働き始めています。

ぼくは渡航から2ヶ月弱が経ったあたりから探し始めて、そこから仕事が見つかるまで2ヶ月ちょっとかかりました。渡航からちょうど4ヶ月後くらい。

ただ、ぼくの場合は最初の1ヶ月くらいは、留学後のワーホリにおける仕事探しに活かせることがしたい!という思いが先行しすぎて、どんな仕事に就くか、だいぶ迷走していました。なので、そういった迷いの期間を除けば1ヶ月ちょっとくらいでしょうか。

ぼくの知り合いには、CVを配り歩き続けて2ヶ月、という人もいれば、ネットで1,2週間でサクッと見つけちゃう人、逆に半年くらい見つからない人、様々です。

こればっかりは、運というか、ご縁というか、見つかるときは簡単に見つかるし、見つからないときは何をしても見つからないし、そういうもんなんだろうと思っています。

仕事探しの方法

ニュージーランドでの仕事探しは「募集有無に関わらずCVを店に配りまくる」「インターネットで応募する」の2つが主流でしょうか。おそらく他の国でも似たようなもんだと思います。

ぼくら夫婦はどちらもネットで探して見つけたので、CVを配る経験はしていないのですが、いくつか聞いた話もあるので、誰かの参考になればということで書き残しておきます。

CVを配る

とくにニュージーランドやオーストラリアのように、ワーキングホリデーによる労働者の多い国では、慢性的に人員の入れ替わりが発生していて、今募集が出ていなくても3ヶ月後にビザの関係で退職することが確定している従業員が数人いる、みたいな状況が日常茶飯事です。

なので、募集を出すほどではなくても、半年以上の中長期で働ける人がいるなら余剰人員を確保しておきたい、というのが雇用主側の基本心理なんだろうと想像しています。

ということなので、募集を出しているかどうかは関係なく、自分の好みに合うところには「人足りてますか!?どうですか!?」とCVを押し付けにいくと、「ちょうどそろそろ補充が欲しかったんだよね~!」となることがあるようです。

渡すときに大事なのは「できる限りマネージャーに渡す」ことと「明るく元気よく、英語は間違えてもいいのでハキハキと話す」ことだそうです。

渡したあとは、見込みがあれば後日連絡するよ、というパターンが多いようなので、着信に気づけるようにしておきましょう。忙しくなければその場で面接が始まることもあるらしいので、自分のCVの内容については、ちゃんと英語でのエピソードトークをできるようにしておくと良いと思います。

ネットで探す

ネットで探す場合、方法は4つに分けられます。

  • 現地の求人サイト・掲示板で探す
  • 日本語の求人サイト・掲示板で探す
  • 気になる企業・お店のホームページから問い合わせる
  • Facebookグループで探す

まずは現地の求人サイトですが、ニュージーランドでは以下のサイトがメジャーです。

更新頻度も高く、毎日たくさんの募集が投稿されます。

サイトを通じて、CVとカバーレターを送付し、雇用主からの返答を待ちましょう。ただし、英語ネイティブではない人や、経験がない人からの応募には、ほぼ返信はありません。

ぼくもこれらのサイトを通じて十数件応募しましたが、一つとして返信はありませんでした……。

次に有効なのが、日本人向けの現地掲示を活用する方法です。

こちらは、連絡先が求人情報内に書かれているので、CVなどを添付したメールを送ります。相手もだいたい日本人なので、返信率は現地サイトに比べて格段に良いですし、雇用主が日本人または日本語が話せる、日本人に理解のある人という安心感もあります。

嫁ちゃんはこの手段で仕事を見つけました。

デメリットとしては、求人数は現地のサイトに比べて格段に劣ることです。かつ、だいたいいつも同じお店、同じ会社が募集を出すので、3ヶ月ほど見ているともう新しい投稿は全て過去に見たことのある求人になっていきます。

また、多くの日本人が応募してくるので倍率も高いです。経験の有無や英語力で簡単にふるい落とされます。

結局ぼくらはやりませんでしたが、ここで求人を出しているお店にCVを手渡ししに行く、というのが案外有効なのではと考えていました。募集を見て来ました!と言ってしまっても良いと思います。相手は日本人なので、こういうやり方で誠意を見せるのも効果的かもしれません。

気になるお店や企業があるなら、直接連絡先を見つけてコンタクトを取るというのも一つの手です。

CVを配るよりも、ホームページやインスタグラムの情報をかき集めて、メールを一斉送信することでより効率的に仕事を探している人もいるみたいなので、配り歩くなんて原始的な!!と絶望している人は試してみてもいいと思います。

また、例えばマクドナルドやスターバックスなど、自社サイトでしか求人を出していない会社もあるので、探してみると良いでしょう。

ぼくは、レストランのホームページの問い合わせフォームから数件送ったところ、1件だけ面接の約束をもらえました。いわく、ちょうど募集を出そうとしていたタイミングだったとのことでした。残念ながら、働ける期間が相手の希望より短いというところで不採用とはなってしまいましたが。

最後に、Facebookグループで探すのは、フラット探しでも活躍する常套手段です。そしてぼくが今の仕事を見つけた方法でもあります。

投稿もローカルな会社やレストランの募集が多いのですが、掲載後すぐにメッセージを送れば、日本人でも返信をもらえるチャンスがかなり高くなると感じました。

前回の記事で紹介したとおり、ニュージーランドでの求人グループは、以下の2つだけ入っておけば問題ないと思います。他のグループはスパムと詐欺に埋められているので、入らないことを推奨します。

採用までの流れ

  1. 応募
  2. 面談(ジョブインタビュー)
  3. トライアル(or 試用期間)
  4. 正式採用

CVが通ると、ジョブインタビューと呼ばれる面談があります。ぼくの場合は、メッセージを送ったその日のうちにビデオ通話での面談があり、5分ほどで終わりました。飲食店の経験があるかどうかがメインで、他の経歴については一切聞かれませんでした。

ひとつ意外だった質問は「賃金はいくらを希望するか」でした。
ぼくは最低賃金意外の想定がなかったので「ミニマム以上ならなんでも」と答えましたが、結果として雇用主が「最低賃金で人を働かせるのは嫌い」ということで、若干イロのついた金額になりました。たとえ週十数時間のパートタイムでも、金額の交渉をできるというのは、カルチャーの差を感じて、衝撃的でした。

面談が通ると次は、ニュージーランドでは、パートタイムでもトライアルや試用期間が存在することが多いです。

これは、雇用主がアルバイトの出来の良し悪しを見定めるためというよりは、お互いに事前のスキルや仕事内容の認識に相違がないかを確認する場のようなものです。

ぼくの場合はトライアルは1日だけで、業務終了後にマネージャーと少しお話をして、その場で口頭のお誘いを受けて晴れて正式採用となりましたが、職場によってはトライアルが数回あったり、嫁ちゃんの場合は1ヶ月間の試用期間(すぐクビにできる&すぐ辞められる)がありました。

もちろんトライアルでもちゃんとお給料は働いた分だけ出ます。なので、トライアルの時点でも、しっかりIRDナンバーを控えておきましょう。

仕事を始めて良かったこと

最後に、仕事を始めたことで生じたプラスの変化を書いて、この記事を締めたいと思います。

ワーホリにせよ留学にせよ、働かなければ貯蓄を切り崩していく一方なので、収入を求めるのは当然のことなのですが、ぼくらのように事前に十分な貯蓄をもって海外生活に臨んだとしても、何かしらの仕事に就くことをぼくは以下の理由からオススメします。

生活を楽しむ余裕ができる

お金を稼げば、贅沢ができるのは当然のことですが、意外と見落としがちなのは物価の違いです。

働き始めるまでは、すべての値段を日本円換算で見てしまうため、ニュージーランドのように物価が高騰している国ではすべてのものが法外な値段に見えて、日々節約意識に追われることになります。そしてせっかく貯めたお金は倍の早さで消えていきます。

働き始めると、すべての値段が「1時間の労働」を基準に考えられるようになります。ニュージーランドではラーメンが1杯16~22ドル、日本円にして2,000円弱ですが、現在の最低時給は22.8ドルですので、労働0.7~1時間分。日本に置き換えれば700円~1,000円。おや、なんだそんなもんか、と思えてきますね。

使えるお金が増えるのは当然としても、金銭感覚が現地にアジャストされることで、よりそこでの生活を楽しむことができるようになったと感じます。

活きた英語を学べる

もうこんなメリットだってそこかしこで話されていますが、まったくそのとおりです。

語学学校に通っているのなら、おそらく最初は「活きた英語」に絶望すると思います。英語話者は、本当に非英語話者に対しての話し方に遠慮がないです。誰も英語の先生のように、ゆっくりはっきり、きれいな英語だけを使って話してはくれません。

同僚に話しかけられても最初は「FU○Kって何回言ったか」くらいしか分かりませんし、メニューにない客からの注文は本当に勘弁してくれよという気持ちになるでしょう。

優しい先生と、同じレベルの非ネイティブとの日常会話で少しずつ培われた自信が崩れ落ちる瞬間です。ああ、学校でいう「上級レベル」って、多分「黒帯初段」みたいなもんで、ネイティブは百段くらいなところにいるんだなぁ。

しかしながら、英語話者は遠慮がないと言いましたが、同時に聞き返してもまったく嫌な顔をしない優しさを持ち合わせています。3回くらいまでなら全然リピートしてくれる。さすがに4回目はちょっと怪しいですが。

なので、分からないことがあってもニコニコと「Yeah……」と返してしまわないで、ちゃんと聞き返しましょう。少し耳が慣れてきたら、知らない単語の意味を聞いて教えてもらうことだってできます。

そうやって、本当に少しずつですが、ぼくは進歩を感じています。ネイティブの発音の癖や、文法が必ずしも教科書通りではないことを学び、ローカルな表現や「知ってるけど使えない単語」の実例を目の当たりにし、そうやって少しずつ同僚の話すことが分かるようになってきました。

学校の外で現地の英語に触れる時間ができるというのは、仕事に限らず、英語力を伸ばす大きな要素であると感じます。

ゆっくりする時間を大事にできる

これは個人差があるでしょうが、ぼくらは仕事を始めるまで、暇な時間があると、すごく時間を無駄にしているように感じて、ゆっくりと過ごす、みたいなことに罪悪感を感じていました。

ところが、仕事を始めると途端に「休む時間」というものが大事に思えてきます。

ただ怠けていた時間に「英気を養う」という言い訳をつけただけじゃないか!と思われる方もいるかもしれませんが、ぼくらとしてはこういうオン・オフが生活にあることは、すごく大事なことだったんだなと、社会人から一度完全に仕事を失うという経験をしたことで気づくことができました。

 

以上、今回は、留学生のぼくら夫婦が、ニュージーランドで仕事を見つけるまでのお話を紹介しました。

暮らしを豊かにする意味でもそうですが、仕事をして、現地の産業に触れることでようやく、真の意味で「海外で暮らす」という体験になると、働いてみて強く思いました。

ときには、どんなに応募しても箸にも棒にもかからず、自分の無力さを痛感することもあると思いますが、語学力は現地の小学生並みだったとしても、学生時代のバイト経験であれ数年の社会人経験であれ、人生の経験はあなたの歳の分だけ積み重ねたものが確実にあります。

コミュニケーションに自信がなくても、そんな自分の経験には自信を持って、ときには多少大げさにでも自分をアピールする大胆さを持つことで、少しだけ困難な道のりが楽になるんじゃないかと思います。

きっとみなさんにとって、一番いい選択肢が得られることを願っています。