夫婦2人がニュージーランドへ9ヶ月の留学に行くまでにかかった費用の総額
例えばオーストラリアのワーキングホリデーは「稼げる」ことで有名です。
ワーホリ中にファーム(農業)で荒稼ぎ!なんて記事も、ネットを探せばゴロゴロと出てきます。
(実際は給料が高い分物価も高いので、節約には気を使わないといけませんが)
ただ、いくら渡航先の生活費は渡航先で工面するとしても、先立つものは必要です。
果たしていくら必要なのでしょうか。
渡航前にかかった費用の総額
結論から言うと、
- 夫婦2人
- 9ヶ月(36週)間の英語学校に入学
- 学生ビザで滞在
- 自宅(借家)のものや家具はほぼすべて処分
という条件で、渡航前にかかった費用の総額は約350万円でした。
……え、マジ?
350万円の内訳
とはいえ、当然ですが全員がこの金額を求められるわけではありません。
内訳を記載するので、自分のプランや状況に照らし合わせて、自分にはいくら必要になりそうか、計算してみてください。
分類 | 項目 | 費用 |
---|---|---|
渡航関連 | 学生ビザ申請費用 | 3,000円 × 2人分 |
海外留学保険(1年間) | 250,000円 × 2人分 | |
航空券(片道) | 110,000円 × 2人分 | |
宿泊費(21泊・ダブルルーム) | 260,000円 | |
語学学校 | 学費(36週間分) | 1,100,000円 × 2人分 |
退去費 | 大型ごみ回収 | 120,000円 |
クリーンセンター持ち込み(数回) | 5,000円 | |
レンタカー代(数回) | 30,000円 | |
雑費 | 洋服 | 40,000円 × 2人分 |
スーツケース | 24,000円 | |
その他 | 20,000円 | |
合計 | 3,465,000円 |
※年収がバレてしまうのであえて書いていませんが、税金(主に住民税の一括徴収)も忘れないでください
以下に、各項目をもう少し詳しく書いておきます。
お時間がある人は、もう少しだけお付き合いいただけると幸いです。
渡航関連費用:986,000円/2人
学生ビザ申請費用:3,000円/人
ニュージーランドの学生ビザは、申請に395NZDのFee(料金)とLevy(徴税)がかかりますが、日本国内からオンラインで申請すればなんとタダになります!
ではこの3,000円は何かというと、IVLと呼ばれる観光税が35NZDかかります。
ワーキングホリデーのビザ申請も、日本からオンラインで申請した際にはこのIVLのみが同様に請求されます。
海外留学保険:250,000円/人・年
申請時はWS6/WS5/WS4の3つのプランがあり、数字が大きいと主に死亡保険や障害後遺症などの重度のものに対する補償金額が上がっていくほか、WS5以上は航空機による遅延や荷物紛失などの保証が付きます。
ぼくらは真ん中のWS5のプランを申し込みました。
9ヶ月の留学なのに、続けてワーホリに行く気満々でなぜか1年分の保険にしています。同じプランで9ヶ月の場合は、22万弱だったと記憶しています。
航空券:110,000円/人・片道
航空券は渡航時期や予約のタイミングによって値段が大きく変わるので、あまりあてにはせず、Googleや航空券の比較サイトを利用して逐次チェックすることを推奨します。
ぼくらが利用したのは、購入時に最安だった、JETSTARの成田-オークランド線(ゴールドコースト乗継)です。
航空券自体はもう少し安いのですが、基本のプランだと受託荷物の重量制限が確実に不足するので、重量を追加購入してこの値段になっています。
乗り継ぎの時間は2時間半ほどで、基本的に乗り継ぎは3時間以上の余裕があることが望ましいと言われていますが、幸い目立った遅延もなく、ゴールドコースト空港は非常にコンパクトだったこともあって、だいぶ余裕を持って乗り継ぎができました。
また、受託荷物を預け直す必要もなく、航空会社のほうでちゃんとオークランドまで運んでくれました。
宿泊費:260,000円/2人・21泊
ぼくらが渡航後最初の3週間を滞在したのは、HAKA LODGEというホステルの、ダブル・エンスイート(トイレ・バス付き)ルームです。
オークランドにはこれ以外にもたくさんのホステル、バックパッカーがありますが、せめて慣れない海外生活、タコ部屋や共有シャワーのストレスくらいは軽減したいと、トイレ・バス付きの宿で探したのですが、21連泊ともなると半年前の予約にも関わらずほとんど選択肢はありませんでした。
これに関しても金額感はあまりアテにできないと思います。1人かつ相部屋であれば、半額以下にもできると思います。
語学学校:2,200,000円/2人
学費:1,100,000円/人・36週間
ぼくらが通っているのは、NZLCというオークランド最大手の英語学学校です。
午前8時半~午後1時半の「フルタイム」と呼ばれるコースです。
学費は、入学申し込みをするとすぐに請求書が届くので、銀行振込にて約12,000NZDを日本円で支払います。
繰り返しますが、フルタイムかつ36週間(9ヶ月間)の学費です。
なお、定期的に割引を行っているようで、ぼくらも週70NZD(36週間で2,520NZD)が割引されました。
しかしエージェントいわく、割引は月単位で行われており、毎月はじめになるまで割引の有無や額も分からず、いつ始まるのかも、いつ終わるのかも分からないそうです。
退去費:155,000円/1LDK2人暮らし
さて、非常にパーソナルな項目です。当てはまらない人は飛ばしてください。
ぼくらは1LDKの借家を完全に引き払ったので、家具家電、おしゃれ着や化粧品といった雑貨、パソコンやモニタなどの電子機器の類、ありとあらゆるものを、捨てたり、知人に譲ったり、リサイクルショップに売ったりして処分しました。
ちなみに、液晶モニター類は処分に費用がかかるので、買い取りの値段がつかなくても無料で引き取ってくれるようなリサイクルショップに持ち込むことを強くおすすめします。
壊れて走査線が映るようになってしまったゲーミングモニターを、タダで引き取ってもらうつもりで持ち込んだら6,000円の値段がついたこともあり、ちょっとしたお小遣いも期待できます。
大型ごみ回収:120,000円
大型の家具や家電は、自分たちの手では処分できず、自治体の回収に出すのですら苦労するものばかりだったので、専門の回収業者に依頼しました。
頑張れば玄関前くらいまでは運べたかもしれませんが、正直面倒くさいから金で解決じゃ!という気持ちが強かったです。
ぼくらは「粗大ゴミ回収本舗」を利用しました。
回収してもらったものは、以下のとおりです。
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- ベッドフレーム
- タンス
- ドレッサー
- 本棚 × 3
- 姿見
粗大ゴミ回収本舗は、自宅まで出張見積もりに無料で来てくれて、その後に実際に依頼するかどうかを決めることができます。
ぼくらの場合は、冷蔵庫・洗濯機がリサイクル指定品目のため追加でコストが掛かったのと、ベッドフレームやタンスといった大きなものが多かったので、それなりに値が張ってしまったようです。
無料で見積もりに来てくれる回収業者は他にもありますので、時間に余裕がある人は、複数の業者に見積もりを依頼して比較することで、少しでも値段を抑えられると思います。
クリーンセンター持ち込み:5,000円/数回
布団やカーペット、自転車などの、自分で運べるけど大型ごみに分類されてしまうものは、市区町村のクリーンセンターに、3,4回ほど直接出しに行きました。
細かい金額は忘れましたが、大型ごみとして回収してもらうよりもはるかに安く処分することが可能です。
レンタカー代:30,000円/数回
知人に家具やマットレスを譲ったり、実家にいくつかのものを預けに行く際に、レンタカーを数回利用しました。
基本的には、以前から利用していたタイムズのカーシェアを使いました。
ただし、マットレスや自転車、長机といった大きなものは、カーシェアで借りられるような普通の車には載らないので、ニッポンレンタカーでハイエースサイズの車を2回レンタルする羽目になりました。そのおかげで大きな車の運転についてはだいぶ自信がつきました。
結局、運搬費用がそれなりに高くついているような気もしますが、40型のテレビや小型の食器棚なども無料で知人が引き取ってくれたので、想定される処分費用を考えたら、おそらくお釣りが出たと思っています。
雑費:124,000円/2人
雑費は、完全に人によりけりですね……そんなものを買ったんだね、程度でお読みください。
洋服:40,000円/人
洋服代、高くない!?と思いましたよね?
いや、本当にそう思いますが、一応ちゃんとした理由があるのです。
オークランドは頻繁ににわか雨が降りますが、降ったり止んだりが予測できず、天気予報もアテにならないので人々は傘を持ち歩かず、雨が降ってもほとんどの人が傘を差しません。
なのでぼくらは、防水のマウンテンパーカーを買って、毎日それで過ごそう!と考えました。そのマウンテンパーカーが、1着30,000円です。
マウンテンパーカーというより、レインコートなのですが、そうとは思えぬほどストレッチ性に優れていて、タウンユースにももってこいです。
それでいて防水性能と透湿性能は抜群で、本来の用途であるトレッキングやハイキングにももちろん使えてしまうという素晴らしい商品です。
実際、ぼくらもオークランドに来てからは毎日着て歩いていますし、ちょっとした雨はフードを被ってしのいでいます。
唯一の誤算は、使っているリュックがまったくもって防水ではないということ(アホ)
というわけで、40,000円のうちの30,000円は、この高性能な一張羅が占めていて、残りの10,000円はユニクロやGUで肌着や無地のシャツを新調したことによる出費です。
スーツケース:24,000円
元々持っていたスーツケースは、5~7泊用の1台しか無かったので、同じメーカーの、もう少し大きいサイズのものを1台買い足しました。
値段が手頃ながら、日本製で十分な堅牢性もあり、TSAロックや双輪キャスターといった最低限の要素を満たしています。
強いて言えば、伸縮性のハンドルは、持ち手にクッション性が欲しかったのと、もう一段階伸びてくれれば言うことなしでした。
その他:20,000円
海外対応の電源タップやコンセントの変換を買ったり、小物の収納用にポーチを買ったり、久しぶりの勉強で筆記具を揃えたり、化粧品や消耗品のストックを買い足したり……改めて数えてはいませんが、だいたいこのくらいは細々とした出費があったと思います。
実は、ノートパソコンとGoPro(および周辺機器)も買ってしまったのですが……さすがにそれは割愛しました。でもノートパソコンかタブレットのどちらかは、あると便利な場面は多いと思います。
渡航前にかかった費用:まとめ
改めて、
- 夫婦2人
- 9ヶ月(36週)間の英語学校に入学
- 学生ビザで滞在
- 自宅(借家)のものや家具はほぼすべて処分
という条件で渡航前にかかった費用の総額は約350万円。
各項目ごとに少し踏み込んでも書きましたが、自分には無関係のもの、逆により高くつきそうなもののイメージをつける参考になったでしょうか。
ひとつ言えることとしては、もしあなたが留学やワーホリのエージェントに費用の話を聞いていたとしても、彼ら・彼女らが教えてくれる費用は、上の項目で言えば「渡航関連」と「学費」のみで、それ以外の税金や、揃えなければならない日用品や、またはぼくらのように住居に関するものまでは教えてくれないことが多いと思います。
こういった個人的な事情を勘案せず予算を組んでしまうと、渡航時に「あれ?思ってたよりお金が残ってない!」となってしまいます。
実際、ぼくら夫婦も、渡航後はしばらく無収入での生活となるので、それなりの貯蓄をもって望みましたが、それでもこういった個人的な事情による出費が、渡航後の頭痛の種になりました。
今これを書いているのは渡航後1ヶ月半くらいですが、すでに「アルバイトをしなければいけない」という気持ちになるくらいには、渡航後のクレジットカードの支払いは重かったです……ええ……。
留学やワーキングホリデーに向けて、これから予算を組んでいく人、すでに算出済みでまさに貯金をしている人、どちらも、ぼくらの実例が、改めて漏れている項目がないか確認したり、数十万単位で余裕を持った資金繰りをする必要はないか考えるキッカケや参考になってくれたら幸いです。
ところでこのK Roadの変な信号、何モチーフなのか知ってる人いますか……?