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夫婦でニュージーランドに語学留学中 留学やワーホリ、海外生活についてをゆるふわに書いていく所存

ニュージーランドでフラット探しをする際の注意点とコツ

企業の高層ビルから少し歩けばもう住宅街。オークランドはNZ一番の都会だが、それでいて機能がぎゅっと詰まったコンパクトな街だ(2023-09-01・Mt.Victoria)

英語がほとんど話せない状態で海外留学やワーキングホリデーにトライする多くの人にとって、「仕事・学校」の次に立ちはだかる大きな壁は、おそらく「家探し」でしょう……。

何事も経験が大事とは言いますが、慣れない海外で、仮宿(ホームステイやホステル)の退去日が近づくなか、次の滞在先が決まらない不安の日々を過ごすことばかりは、とても経験しておいて良かったと思えることではないでしょう。

今日は、ぼくら夫婦が家を見つけるまでの経験から得た、ニュージーランドで家探しをする流れや、ちょっとしたコツを教えたいと思います。

また、物件探しでよく見かける英語や、家主へのメッセージ文、内見時の定番質問フレーズなどは別途まとめましたので、ぜひこちらもあわせてご覧ください。

ニュージーランドのシェアフラット事情

ワーキングホリデーや長期留学をする人のほとんどが、滞在手段として「シェアハウス・シェアルーム」を選びます。

日本では身近に感じないかもしれませんが、実は日本へワーキングホリデーや留学に来ている外国人の滞在手段としてもメジャーで、近年では都市部で外国人向けのシェアルームを見つけることは難しくないそうです。

ニュージーランドも例外ではなく、ワーホリや留学生はもちろん、現地の単身者やカップルも当たり前に利用しています。
また、部屋を貸し出す前提で大きな家を購入する人もおり、特に郊外ではそういった住居を見かけることでしょう。

ニュージーランドやオーストラリアは「シェアフラット」という言葉が使われるのが一般的です。
"flat" とは、本来イギリス英語で "apartment" すなわち集合住宅を意味する言葉です。
ただ、今回のような文脈においては、フラットな家(低層住宅)かどうか、集合住宅か一軒家は関係なく「他人同士で暮らしている住宅または集合住宅の一室」という意味合いで使われているようです。

そして同じフラットに住む人のことを "flatmate" と言い、インターネット上で盛んにフラットメイト探し "flatmates wanted" が行われています。

フラット探しの基本的な流れ

シェアフラットを探す基本的な流れは、以下のとおりです。

  1. インターネットや知り合いからの情報などを頼りに、フラットを探す
  2. 気に入った物件の家主(または代理の管理者)に連絡し、内見のアポを取る
  3. 内見して実際の家・部屋、不明点を確認する
  4. 内見したその場または後日メッセージにて入居を希望する
  5. 家主と契約を結び、敷金と最初の家賃を支払う
  6. 入居する

この中でも「内見」は特に重要なので、必ずしてください。

日本で家探しをするときも、内見は必ずすると思いますが、英語のやり取りが面倒だったり、家主との英会話に自信がないからと言って、内見をサボることだけは絶対にしてはいけません。

理由は2つあります。

1つ目は、写真や文字では分からない情報、家の状態、周囲の環境を確認するため。

写真は広角で撮れば部屋が広く見えますし、多少の汚れはすぐにごまかせます。写真が撮られたタイミングでは綺麗な家でも、経年劣化が激しかったり、フラットメイトがものぐさでキッチンに生ゴミや洗い物が溜まってたりする可能性もあります。
家の周囲の環境や、職場・学校へのアクセスなんかも大事で、とくにオークランドなんかは坂道だらけなので、実際に行ってみたら、家の前が激坂だったりします。

2つ目は、詐欺防止のため。

実在しない家の情報を載せて、内見前に敷金を支払わせ、そのまま音信不通になるという詐欺があるようです。
もちろん、内見をした後にもトラブルが無いとは言い切れませんが、最低限、家とそのオーナーが実在しているかは確認しましょう。

フラット探しの注意点とコツ

先に内見の注意のみしてしまいましたが、他にもいくつかの注意点と、フラットを探すときのコツがあると感じましたので、以下にまとめます。

現地の電話番号は必須

ニュージーランドでの連絡手段は、携帯電話番号によるSMSが一般的です。

掲載サイトのメッセージ機能やメールアドレスによる連絡もありますが、多くの人が電話番号を載せており「ここにメッセージよろ!」と記載しています。
そして、そういう人はほぼ100%メッセージ以外の連絡を見ません。

現地でSIMを入手して、必ずSMSでの連絡が取れる状態にしておきましょう。
日本の携帯電話番号のまま、海外ローミングを利用して連絡手段とするのは、ぼくは試していないですが、逆の立場になって考えたら、避けるべきでしょう……。

メッセージの返信率は20%くらいだと思うこと

メッセージじゃないと返信を返さない、と言いましたが、メッセージなら必ず返信が返ってくるわけではありません。

5通送って、1通返事がくれば良いほうだと思ってください。

そのため、物件を吟味する余裕はほとんど無く、条件に当てはまる物件にはとにかく片っ端から連絡を送るつもりでいてください。

ちなみに、返ってくる返事の3通に1通くらいは「もうその物件は募集してないよ~」です(おかしい)
なので実際の打率は12%くらいですかね……。

メッセージで質問しようとしない

インターネットの物件情報だけじゃ分からないことが基本的にはどの物件にもあります。
そんなとき、ついついメッセージのやりとりの段階で質問をしたくなると思いますが、できる限り、内見時に確認することを推奨します。

理由は簡単で、メッセージであれこれ質問していると面倒くさがられて返事が返ってこなくなるからです。

ぼくも最初はそれが分からず、ついメール文化の日本の感覚で、内見の約束を日時まで取り付けたあとに「住所と、あと念のためこれとこれを先に確認させてください!」と質問を添えたメッセージを送ったところ、パッタリ返事が返ってこなくなりました。
内見前日の夜になっても返事が来ないので「内見明日だよね?住所だけでも教えて!」と送ったら、すぐに住所が送られてきました。本当にすぐに。

この経験を踏まえて、どうしても譲れないポイントがあったり、事前に確認しておきたいことがあったとしても、とりあえず内見の約束を取り付けて、当日直接確認するのが、最も確実で最良の方法であることをお伝えしておきます。

内見時に、金銭面とハウスルールは必ず確認すること

家賃と光熱費、共有の消耗品(トイレットペーパーや洗剤など)などの金銭面の話と、そのフラットで独自に定めているルールは、仮に物件サイトに記載があったとしても、改めて確認をしましょう。

  • 家賃がいくらか
  • 光熱費は家賃に含まれるか、別か(別の場合はいくらになるか)
  • 消耗品の支払いルール
  • 生活面のルール
  • 最低滞在期間(ミニマムステイ)は何ヶ月か
  • 退去を希望するときは何週間前に通知(ノーティス)すべきか
  • 敷金は退去時に返金されるか

最低限、上記の項目は一通り再確認した上で入居の判断をしましょう。

「生活面のルール」は、例えば洗濯機は週に何回使えるかとか、人は呼べるのか(自分が呼ばなくても、誰かが頻繁に人を呼んでたら嫌ですよね)とか、共有部の利用についてとかです。
正直、暮らしているうちに色々出てくると思いますが、例えばよく料理をする人ならキッチンの利用についてはいくつか確認しておくなど、自分の生活スタイルに関わることは深掘りしておくと、後悔をせずに済むと思います。

また、入居希望者はたいてい家主に入居希望の旨を伝えたのが早い順番に優先される事が多いですが、内見を案内してくれる人が家主ではない(フラットメイトが家主の代理で案内をしている)パターンもありますので、もし内見をしていい物件だと感じたら、誰に入居希望を伝えたら良いのか、並行して検討中の物件がある場合はいつまで返答を待ってもらえるのか(または早いもの勝ちか)も確認しておくのが良いでしょう。

ちなみに「敷金」は "bond" と呼ばれ、基本的には2週間または3週間分(大抵ノーティスの期限と同じ)の家賃が取られることが多いですが、これは退去時に部屋の状態に問題や破損が無ければ返金されます。
これとは別に入居費("moving cost" とか "move-in fee" とか、呼び方は色々)が1週間分徴収されますが、それはいわゆる礼金のような扱いになり、返金はされませんので、このあたりの入居時コストの内訳もしっかり確認しましょう。

契約は書面に残る形で結ぶこと

一つ前の項目で挙げた内容は、契約時、必ず何かしらで残るかたちにしてください。

ちゃんとした家主なら、紙やPDFで「Tenancy Agreement(いわゆる賃貸借契約書)」や、それに近いようなパーソナルな契約書を用意してくれますが、中には口頭やメッセージのやりとりだけで契約を済ませてしまう人もいると聞きます。
そういった場合は、家主に何かしらの契約書を用意してもらうよう要求するか、もしくは最悪チラシの裏紙でも良いので、契約のルールを書いて、お互いの署名、日付を記載して保管しておくのがいいと思います。

そこまでしてもトラブルが起きない保証はなく、基本的に借りる側が弱い立場にあることが実情ではありますが、致命的なケガを重傷で抑えられれば御の字です。

「言った・言わない」を防ぐために、必ず「かたちに残る契約」をしましょう。

相手も入居者を選ぶ立場にあること忘れない

ついつい自分たちが家を選ぶ立場にあると思ってしまいがちですが、実際、入居希望者は自分以外にもたくさんいるのが普通です。
家主が同じ家に住んでいるパターンにおいては「内見希望者はひととおり案内した上で決める」としている人もいます。

スーツでキメて名刺を渡せ!とまでは言いませんが、メッセージのやり取りは丁寧かつ適度にフレンドリーに、内見時も仏頂面で黙って見せてもらうのではなく、対面時は笑顔で、内見中はポジティブな感想は口に出すようにしてみてください。

もしかしたら、内見を案内してくれているその人は将来のあなたのフラットメイトかもしれません。

現地の銀行口座はほぼ必須

家賃の支払いは、銀行振込がほとんどで、多くの人は現地の口座を開設して、自動振込の設定を活用して家賃を支払っています。

もちろん、振込先の銀行の支店の窓口で都度振り込むことも不可能ではないですが、基本的に家賃は週払いになりますし、忘れた際のトラブルも考えたくはないですね。
すぐには仕事をしないから口座開設は後で、なんて考えている留学生のみなさんも、銀行口座はフラット探しと並行して開設しておくことをおすすめします。

ニュージーランドでフラットを見つける手段

フラットを見つけるのは、インターネットか知り合いのツテで、と上には記載しましたが、来たばかりでツテも何もないと思うので、ほとんどはウェブサイト一択になると思います。

調べれば他にもいくつか出てきますが、まずは以下の2つのサイトを抑えておけば、基本的には問題ないでしょう。

Trade Me - Flatmates wanted

フラットメイトの募集に限らず、あらゆるものの募集や売買が行われている、ニュージーランド屈指の巨大マーケットサイトです。
現地のサイトなので掲載情報も家主とのやりとりも全て英語になりますし、フラットメイトも日本人以外が基本ですので、英語力を伸ばしたい人、外国の文化に触れたい人はこちらで探すのが良いでしょう。

検索性も高く、カップルや夫婦で入居する場合はRefine内の「Couples OK」にチェックを入れれば、カップル入居可(または応相談)の物件のみを表示させることもできます。
ただし、検索画面やDetailsに書かれている金額は、基本的に一人入居者向けの情報で、カップルで入居する際にたいてい発生する追加コストはDescription内に書かれていることが多いので、説明文を隅々までよくご確認ください。

掲載数は多いですが、前述の通り返信率も低いので、ある程度の根気と妥協を覚悟してください。

NZdaisuki.com - フラット

https://nzdaisuki.com/classified/house/flat-sharehouse-27

ニュージーランドに住む日本人たちによる情報サイトで、掲示板には「住まい」の項目があり、その中でフラットメイトの募集も見つけることができます。

ときどき英語の掲載もありますが、多くは日本語で、家主・フラットメイトも日本人であることがほとんどです。
まだ英語力に不安がある人や、外国人の生活スタイルが肌に合わない人は、まずはこちらで探してみると良いと思います。

相手も日本人なので、メッセージの返信率は良いですが、Trade Meに比べると物件数は少なめで、かつ逆に家を探している人の投稿なども混ざっているので、検索性もやや低いのが難点です。
カップルで探す際は、検索欄に「カップル」と入れればある程度は絞り込めるでしょう。

上記の2サイト以外にも、フラット探しのサイトはありますし、Facebookのグループ・投稿から見つけるという手段もあります。
中にはTrade Meに載せる前にFacebookで情報を先出ししているオーナーもいたりして、更新頻度もTrade Meより高いくらいに感じます。

ただし、非公開のグループは参加の敷居が高く感じたり、またやはり専用のサイトに比べると検索性が低く使いにくい点がありますが、もし余裕がある人は、Facebookで例えば「Auckland flat」などと探すと、大量の投稿が出てきますので、チェックしてみてください。

まとめ

  • ニュージーランドでは「シェアフラット」が滞在手段として一般的
  • インターネットで探してSMSを送りまくる!
  • 必ず内見をして、物件と不明点の確認を怠らない
  • かたちに残る契約でトラブルを未然に防ごう

フラット探しは、慣れない海外生活の序盤に訪れる割には、根気強さと、ときには何かを妥協するクレバーさが求められるやっかいなクエスト(?)です。

ただし、何通かメッセージを送って、1軒でも内見に行けば、多少は緊張もほぐれて慣れていくとも思います。

また、もし入居後に気に入らなかったとしたら、最低滞在期間(ミニマムステイ)が終わったら別のフラットに引っ越してしまっても良いのです。
もちろん礼金分のコストはかかってしまいますが、引越業者なんて必要もなく、スーツケースとバックパックでサッと引っ越しもできますし、様々なフラット、フラットメイトを経験することも貴重な財産になります。

結局、シェアフラットで大事な要素は「人=フラットメイト」で、こればかりは入居してみるまで良いか悪いかは分かりません。

物件のデータで理想を追い求めすぎず、ある程度は失敗してもいいやと、軽い気持ちで探すのもまた、フラット探しを成功させるコツのひとつだと思います。